免許 東京の簡単な説明
肝心のエンジンといいますか、最終的にはハイブリッドシステムになったわけですが、それが決まりませんのでネ安もなかったわけではありません」ハイブリッドには大別して、パラレル型とシリーズ型がある。
シリーズ型というのはエンジンは電気を起こすためだけのもので、その動力で直接タイヤを駆動しない。
したがって機構としてはシンプルではあるが、ガソリンエンジンと同じだけのパワーを電気モーターで出すとなると、パッリテリ-もモーターも大型のものが必要になる。
ただ、クリーンな排気を求めることではエンジンは小型になり、しかも定常運転だけを行う利点が効果を挙げる。
発電の動力にガスタービンを使用するものや、A杜が研究を進めているものは、このシリーズ型に属する。
それに対して、パラレル型というのは、タイヤを駆動する動力をあるときはガソリンエンジンで、あるときは電気モーターというように、場合に応じて切り換えることが可能なシステムだ。
使い勝手としては、これまでの、ガソリンエンジン車とほとんど変わらず、低燃費と排気のクリーン化が可能だし、搭載するバッテリーもそれほど大きい容量を必要としない。
だが、動力源の切り換えなどにメカニズム的な難しさがあり、電気系統の面では非常に制かく高度な制御が必要だ。
そのため、パラレル型の良さはわかっていても、これまでほとんど実用化まで研究が進んでいなかったのが現実である。
Tは、両者の長所短所を比較した結果、現在の自動車と同じような運転特性や利便性、パッケージなどを想定した場合、パラレル型でやって行くことを決めた。
難点は技術而とりわけ制御系にあるが、これに関しては自信があった。
ただ、バッテリーの容量とその大きさ、メンテナンスといった面では、必ずしも自信があったわけではなかった。
すでに排気のクリーン化を在来型エンジンの改良とする、筒内直噴方式による希薄燃焼システムは完成域にあった。
いわゆる『D-4』である。
ほぼ時を同じくしてM自動車からも『GDI』と名付けた筒内噴射方式のエンジンが発表され、量産体制にまで進んでいた。
同社では二一世紀に入ってもこの方式によって、C02の削減に対処していくと公表してきた。
そうしたなかで、一九九四年も終わりに近づいたころ、ハイブリッド技術がかなり実用域に迫っているという情報が出てくるようになった。
とくに経営陣からは、新しいプロジェクトがつくるものは、『D14』や『GDI』程度のものではとても満足できない、という声が上がったのだった。
「燃費に関していえば、これまでの三O%向上くらいだったら、すぐに他社が追いかけてくる。
いや、すでにそのくらいの性能ならすでに実験的に達成しているところもあるだろう。
すくなくとも五O%アップでなくてはG幻プロジェクトの意味はない」といった厳しい発言がUのところに伝えられたのであった。
「五O%アップを実現すれば、他社に比較しても数年は充分にアドバンテージを確保できると思いました。
そのためには現行のガソリンエンジンをいくら改良してみても非常に難しいんですね。
となりますと、何としても新しいパワ-ユニットで行くしかありません。
研究部門てハイブリッドシステムがかなり進んでいるということでしたから、思い切ってそれを搭載すればどうか、という意見が出てきたわけです」ハイブリッドシステム車のデザインに着手そうこうしているうちに、一九九五年に入った。
奇数年は千葉・幕張で東京モーターショーが開催される。
モーターショーではどのメーカーも、これから進むべき方向を示唆する新しいものを参考出口聞というかたちで展示するのが通例である。
ぜひとも『Gn』が取り組んでいるものを出品したい、それは企業イメージを高める意味でもいいことではないか、という意見が役員のなかから上がった。
技術担当のW副社長と、当時第三センター長であったS(現・アラコ側社長)は、とくに熱心だったという。
もっとも、ショーではやっていることをそのまま公表してしまうというわけにはいかない。
公開の場であるだけに、企業として手の内含すべてさらけ出せないこともあるが、どこまで可能性があるか?については期限をつけて確信をもって示すというところまではいっていなかったからだ。
そこで、ごく平凡な言い回しの「これからのセ、ダン- というテ-マにし、車名こそプリウスとなっていた、が、エンジンル-ムに収まっていた装置は、いわゆるハイブリッドシステムとは別ものにしている。
抽象的だが、どうやってエネルギーをマネジメン卜するか?をよく考えれば、その説明文にあった「ガソリンエンジンをモーターでアシス卜する」という表現から、ハイブリッドシステム、であることに気づいた人間もいたに違いない。
ただ、ショ-カ-に搭載されていたエンジンは、ハイブリッドシステムとして開発されたものではなかった。
『D-4』と閉じ筒内噴射機構をもつものに置き換えられていたのである。
ハイブリッドということばが使われていなかったのは、まさに開発真っ盛りのときであり、それを秘匿したかったためと読み取ることもできる。
実はこのショーが聞かれていた時期、本命のハイブリッドシステムは『Gnプロジェクト』に搭載することが役員から承認を受けていたのだ。
ボディデザインは、いま発表されているプリウスとはかなり違っている。
これは当然のことで、そのころはまだ、いまのプリウスとして決定したデザインは生まれていなかったのだから。
ショ-に出品されていたデザインは、それ自体をできるだけ「並日通のクルマ」らしくする意図があり、人を興奮させるようなものは極力避けてつくられたものであった。
ただし、『G幻プロジェクト』とは別ではあったが、次世代のコンパクトカ-についての研究、が始まっていた。
とくにパッケージングをどうするべきか?といったテ-マや、人間工学的な側面からのアプローチも進行していたのであった。
ショ-に出品されたものもそこで検討され、ひとまず結論となったアウトラインにもとづいていた。
きて、新しくつくるハイブリッドシステムを搭載したクルマのデザインをやれ、とデザイナーたちに指示が発せられたのは、ショーが閉幕して二ヵ月はど経った一九九六年の初めごろであった。
T自動車には、デザインの部署が数多くある。
本社デザイン部、各センターごとのデザイン室、東京デザイン部、それにCA-TY(アメリカ・ロスアンゼルス)さらにヨーロッパにはどPOCと呼ばれる部署が存在している。
それらがほとんど名乗りを上げたのは、やはりいままでにないハイブリッドという斬新なパワ-ユニットを搭載した未来指向のクルマだということだったからに違いあるまい。
CA-TYのエクステリア(外観)担当のシニアチーフデザイナ-、Aはとくに感動したひとりだった。
「CA-TYは先行開発スタジオという使命を担っているのだから、本社側がやらないようなものに仕上げよう」という意気込みでスケッチを始めたという。
第二センター、第二デザイン部担プロダクトデザイン室長のKは語る。
「ともかく、それぞれのデザイン部門が非常に張り切っていたことは事実ですね。
最終的に決定したのはCA-TYの案ですが、それに決定するまでに大きくいって二つの流れがありました。
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